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あれだけ沈黙を決め込んでいたテレビ局が、河本さん本人が記者会見をされた事でいっきにニュースに取り上げられました。テレビの論調としては、「許されない!」と「ちょっとそこまで騒ぐのはやり過ぎでは?」という意見の二つ。それでこそ、複数のテレビ局がある意味があると思います。

私の意見としては…ですが、あの議員さん達の事をより嫌いになりました。

週刊誌は、「そうらしい」事実をかき集めて、できるだけ裏をとって読者に伝えるのが仕事。某議員さん達が騒ぎ立てるまでは、匿名でやっていましたし、それ自体は悪いとは思いません。

ネットで人物の特定に至った点については、確かに「万が一自分の身にその刃が向かってきたら」と考えると非常に恐ろしく寒気がするのですが、良くも悪くも名の知られている方であり、噂に飛びついてしまうのは悲しいかな人間の性であり、(それが一般人のちょっとした失言にも波及してしまう仕組みをどうにかしないといけないとは思うものの)割と簡単にできていしまう制度や仕組みや世の中が悪いだけであって、それに関わった人が悪いとは思ってはいません。

「これだけ稼いでいるのに…」というのはまさにその通りですし、受給停止はもっと早くからするべきでしたでしょう。その点について倫理的な問題は少なくともあり、いくら母親の支給の事であっても責められても仕方が無い部分はあると思います。

ただ、よく考えなきゃいけないのは次の点だと思います。河本さんが記者会見で言われていた部分もありますが、
・少なくとも支給開始時は売れはじめで、母親に対して援助できる状況ではなかった。
・自身の仕事が増えているとは言っても、突然バタッとなくなる事はある。
・そもそも生活保護自体、現状として入りづらいという現状があり、一旦止めてしまうともし次に仕事が途切れた時に支給が受けられない可能性がある。

と書くと、おそらく次のような反論が来るかと思います。それに対しての反論をあわせて書いてみたいと思います。
・厳しいのは芸人だけじゃない。他にも生活が厳しい人がいっぱいいる。
ごもっともですが、それで河本さんの母親が支給対象になっている事が問題と言うよりは、その他の方が支給対象にならないという方が「憲法で保障されている最低限度の生活の保障」を目的として作られた制度である以上、おかしいのではないでしょうか。
少なくとも、河本さんの母親ご本人は、「就労ができない状態で、援助がなければ生活ができない状態」だった訳ですし、少なくとも申請当時は河本さん自身も「自分の生活が精一杯でとてもじゃないけど母親に援助できる状態ではなかった」訳です。その状態で支給対象でないというのならなんの為にあるんでしょう?

・芸人というのは自分で選んだ仕事なんだから、自分で働かなきゃ。
昨日の、TBSの番組内での大御所の方のお話ですが、河本さん自身についてはその通りだと思います。
ですが、その当時なにも働いていなかったのでしょうか?芸能活動をメインとして活動した場合、どうしてもアルバイトするにも時間に制限があったり、あったとしても業種が限られており、よほど運がよくない限りは売れていない間は、アルバイトも含めて「生活するのが精一杯」だとお伺いしています。
「親が野垂れ死にしたって関係ないだろ」とか、「自分で選んだ仕事なんだから、自分より親の扶養を優先して、長く続くようなら舞台で死ね!」とおっしゃる訳ではないのであれば、「援助がなければ生活できない状態」に親がなっているのであれば、その親が受給対象になってもおかしくないかと思います。
仮に、河本さんご本人が支給を受けられていたと言うのであれば、その返しで問題ないかと思います。が、今回は母親が受給を受けていたというお話です。

・おかしいと思っているのなら、どうして報道されるまで受給を受け続けているんだ
まったくもってごもっともだと思います。ですが、生活保護というのは審査がシビアだというので有名です。
普通に考えて、同額の援助を支給対象者にできる余地ができたのであれば、辞退するのが筋だとは思いますが、その援助をする相手が浮き沈みの激しい職業というのは、おそらく受給者(この場合母親)、社会保険事務所の担当者の方はご存じだったかと思います。
もし、「即辞退」した後に落ち目になって援助ができなくなった場合に、再度受給者が受給を受けられるという保障はありませんし、万が一お金が無い事で通院を渋り、病気が悪化して手の付けられない状態になった場合には、「あの時、受給を止めなければ…」という負い目を関係者に負わせる事になると考えたとしても不思議な状況だとは思いません。
もちろん、それをもってその行為を肯定する事はありませんが、正直現状のバッシングは「異常」だと思います。

・生活保護は「生きるか死ぬかの境目の人」がもらう者だ!
今回の件で、より嫌いになった議員さんの名言です。
現状として(一部の特定の利権をお持ちの方を除いては)そのような状況になっている面はあるかと思います。
ただ、後ろめたさが生活保護という制度とともにある以上、「生きるか死ぬか」の人がもらえていないという現状です。
後ろめたさはあって当然なのですが、「生きるか死ぬか」なる前の段階で受給して、また普通の生活に戻れるような支援や対策を打った方が、結果的に負担コストは少ないと思いますし、本来の意図に一致するんじゃないでしょうか。だいたい、生活保護を含めて社会福祉の制度設計が間違っていると思いませんか?

働いてたりする人だって、会社としての縛りがない個人事業者や、従業員の事で精一杯な中小企業の経営者が資金繰りに行き詰まって保険料が払えなくなったら、有無を言わずに健康保険証を没収して、ちょっと病気になったとしても病院に行きづらくしている。結果的には悪化して、もっと早く病院に来ていたら健康に回復して医療費も少なくて済んだかもしれない人もいるし、ひょっとしたら業績だって払えるくらいの状況の業績に変わってかわってたかもしれない。
「そういう人の為に、無料診療の制度があるよ?」というかもしれないけど、そういう状況になる前に手が打てるように健康保険の制度自体に組み込んでおくべきなんじゃないでしょうか?
…脱線してすいません。でも、生活保護にしたって、それにしたって法律に書かれていることであって、改正するって仕事は政治家さんしかできないんですよ?なぜ、まずそれをやってくれないんでしょうか?

もちろん、河本さんに責められるべきところが無いとまではいいません。ですが、それよりも内容を理解せずそれを擁護する人に無差別に非難のメッセージを送る人達や、方法と手順を間違っている政治家、にも関わらずその政治家を褒め称える人達に対して怒りを感じます。

私が愛する皆様方がそのような方で無い事を、心から願ってやみません。